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【田村秀男 お金は知っている】「景気回復によって税収を伸ばす」麻生財務相はコロナ・ショックで正論に目覚めたか? (2/2ページ)

 肝心の麻生太郎財務相は以上の言説に影響されているのだろうかと思って、最近の記者会見をチェックすると、さにあらず。5月29日には「経済が活性化しないと財政の改善もできない。増税に頼るのではなく景気回復によって税収を伸ばすことを目指すのが第一だと思う」と、まるで拙論の以前から主張と同じである。

 5月12日には、記者から「国の借金が過去最大で、さらにどんどん膨らんでいくことによって日本の財政への信認というのが損なわれてしまうのではないか」と聞かれると、国債発行残高が膨らんでいるのに、国債がどんどん買われて金利が下がっているという現実を取り上げ、「金利が上がるぞ、上がるぞと言ってオオカミ少年みたいなことをやっているわけだよね」「今のうちにさっさとそれを最大限に活用してやっていかなければ、経済対策、財政政策を考えなければいけないということだと思いますね」。麻生氏はどうやらコロナ・ショックで目覚め、正論に立ち返ったようだ。

 麻生氏は「国債が増えても、借金が増えても金利が上がらないというのは普通私たちが習った経済学ではついていかないんだね」と述べている(グラフ参照)。

 拙論の答えは簡単で、財務省の緊縮財政と消費税増税のためにモノの需要が萎縮する慢性デフレに陥り、国債に代表されるカネの価値がモノに対して上がっているためだ。この不都合な真実を認めたくない財務官僚や学者はひたすらオオカミ少年を演じ、世を惑わす。大学教授方、麻生氏の設問にきちんと答えたらどうか。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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