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【榊淳司 マンション業界の秘密】不動産市場の「2020年革命」 コロナ感染拡大でオフィスや大講堂が“恐怖の空間”に? (2/2ページ)

 今までは、多くの人を1つの場所に集めることに意義があったが、コロナはそれをリスクに変えた。よほどの必要性がない限り、限られた空間に多くの人が集まるということを避けるのが当たり前になる時代がやってくる。

 今回のコロナ禍が終息しても、10年以内に同じような感染症が世界に広がれば、人が集まることは華やぎではなく、恐怖でしかない。

 そういうスペースに対する需要は急速に減退し、不動産市場に対して少なからぬ影響を与えるだろう。この騒ぎは不動産市場にとってはある意味で「革命」だ。

 ここ20年ほど、「東京一極集中」などと言われた。人もモノもカネも、東京に集まってきた。その間、大方の地方は衰える一方だった。しかし、情報機器の発達はビジネスや教育、あるいはリモート診断が始まった医療などの面でも、すでに東京一極集中が必要ではない条件を整えていた。そこに襲ってきたコロナが、そのことをまざまざとわれわれに理解させた。

 ただ、それは東京の不動産市場にとってはマイナスのベクトルを作るだろう。都心のステータスを確立したエリアは、さほど大きな影響を受けない。脆弱性を際立たせるのは、13年以降の局地バブルでで、実力以上の価格を形成してしまった近郊エリアだろう。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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