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なぜ5G対応のiPhoneはまだ登場しないのか? カギを握るモデムチップの存在 (2/4ページ)

 だがそうした中にあって、大手メーカーの中で唯一、まだ5Gスマートフォンを発表していないのがAppleだ。Appleのお膝元である米国では2019年に5Gの商用サービスが始まっているが、同年に発売された「iPhone 11」シリーズは5Gに非対応であったし、最新機種となる「iPhone SE」の第2世代モデルも、コストパフォーマンス重視のモデルということもあってか5Gには対応していない。

 ◆モデムチップの5G対応が重要なポイントに

 Appleだけが5Gスマートフォンを投入できていない要因は「モデムチップ」を巡る動向にある。

 モデムはアナログ信号とデジタル信号を変換するデバイスであり、コンピュータで通信する上で古くから用いられているもの。それをスマートフォンなど小型の端末に内蔵できるよう、チップ化したのがモデムチップである。それゆえモデムチップはスマートフォンで通信する上で欠かせないものとして、必ず搭載されている。中には省スペース化や省電力化などのため、モデムをプロセッサに内包してしまうケースも多い。

 また傘下に半導体メーカーのHiSiliconを持ち、グループ内でモデムチップを開発・供給できる体制を持つHuaweiなど一部の企業を除くと、多くのスマートフォンメーカーはモデムチップを他の半導体メーカーから供給してもらうのが一般的だ。

 そして多くのメーカーが採用しているのが、米Qualcomm製のモデムチップである。実際Qualcommは多くのスマートフォンメーカーに提供しており、2020年5月現在、国内で提供されているスマートフォンのほとんどは「X55」という同社の5G対応モデムチップと、それに対応するプロセッサ「Snapdragon 865」をセットで搭載することで、5Gによる通信を実現しているのだ。

 ゆえに5Gで多くの実績を持つQualcommからモデムチップの供給を受ければ、Appleも5Gへの対応を容易に進められるのだが、Appleにはそうはいかない事情があった。それはAppleが、Qualcommと“最悪”ともいえる関係に陥っていたからだ。

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