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【榊淳司 マンション業界の秘密】コロナ後の不動産市場はどうなる? 優良物件を安く買う富裕層…郊外は早期に大幅下落か (2/2ページ)

 では、困っていない人や企業がそういったコロナ対策マネーを手にするとどうなるのか。

 その一部は株式や不動産市場に向かう可能性がある。現に株式市場はファンダメンタルズでは説明のできない動きをしているようにみえる。

 手元資金に余裕のある富裕層は、今こそ不動産の優良物件を安く買おうと待ち構えているだろう。彼らは給付金や融資に頼らずとも、あるレベルまでの投資は行える環境にある。

 だが、不動産に限ると、そういったマネー供給の緩和には無縁のカテゴリーがある。それは、郊外立地のマンションや戸建てである。テレワークの普及で都心から郊外への移住ニーズは多少出てくるのだろうが、それは需給関係を変動させるほどでもない。

 郊外住宅へのニーズは、基本が実需。住むために住宅を買う人々は給付金などのマネーを得ても、それ以上に給料やボーナスが減る可能性が高い。日本のほとんどの企業は、コロナ不況で減収減益に陥るからだ。

 コロナ不況で不動産価格が下落するのはほぼ確実視されるが、都心は金融緩和などによる余剰マネーによってしばらくは維持されるだろう。しかし、郊外は割合、早期に大幅な下落基調が見えてくるのではないか。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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