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【新・兜町INSIDE】11年ぶり増資ラッシュ到来か 市場リスク警戒

 日経平均株価は8日にコロナ暴落前の水準に迫る2万3100円台まで回復。先高期待が増す市場だが、上場企業による増資や保有株式の売却ラッシュが需給を崩すリスクが警戒されている。

 3月のコロナ暴落局面で、企業経営者は手元キャッシュ確保の重要性を再認識させられた。外資系投資銀行関係者は「現金のためすぎを罪悪視するスリム化路線を見直し、キャッシュ確保に回帰する経営者が増えている」と話す。

 株式市場では、増資や売り出しによる株式供給は来年末までの2年弱で合計10兆円と、リーマン・ショック後の2008~09年並みに急増するとの噂がある。日銀が昨年買ったETF(上場型投信)は約4兆5000億円なので、市場を混乱させるには十分すぎる規模だ。

 増資は大企業1社が始めると、他社も短期間で追随し、気付けば市場全体で新株の供給過剰に陥りがちだ。自衛策として「個人は増資が不要な企業に投資先を絞り、証券業界は企業の資金調達手段を増資から低金利の長期社債発行へ誘導する必要がある」(大手証券幹部)との声も。

 【2020年6月10日発行紙面から】

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