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【渡邉美樹 経営者目線】小田原市長は市を「経営」できるのか 陸前高田市長の「長期視点」に賛同 (2/2ページ)

 行政は経営だ。首長選挙では、経営感覚のある人を選ぶべきだ。しかし実際は、地元の名士や大衆迎合の政策が有利に働く傾向がある。そうした中でも、気骨のある首長もいる。

 私が参与を務める岩手県陸前高田市の戸羽太市長もそのひとりだ。民間企業に勤めていた感覚や経験がベースとなり、震災からの復興も、この市をこれからどう「長期経営するか」という視点で市長をしている。迎合より正論でリーダーシップをとる姿勢もよく見る。持続可能な「街作り」は、それこそ大業だ。しかし、戸羽市長のように、正論や長期ビジョンを掲げると、選挙に強くない傾向がある。戸羽市長も前回選挙では5票差という大接戦だった。

 公約は、掲げる側も、投票する側にとっても、もっと大きな意味を持つべきだ。

 私は、財政再建や脱原発といった、掲げた公約を前に進めることができず、2期目の出馬を見送った。それが「あたり前の感覚」だと思う。西郷隆盛は、大業を成し遂げる人の条件を「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人」と定義した。国難の今、小田原市長をはじめ、日本の政治家は「大業」を成し遂げられるだろうか。(ワタミ代表取締役会長兼グループCEO・渡邉美樹)

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