記事詳細

【渡邉美樹 経営者目線】「病院経営の危機」に思うこと 国民が幸せになる「改革案」を提言 (2/2ページ)

 新型コロナ対応での赤字の場合、コロナへの診療報酬が安すぎるという値付けの間違いもあれば、病院を“憩いの場”とする高齢者らの来院者が減ったことも最大の問題だろう。外食も損益分岐点が高い店は少々の客数減で赤字になる。コロナ禍が一つの契機であっても、従来の病院の損益分岐点が高すぎるという潜在的要因が根本にあると思う。

 私は理事長時代にも、公的保険診療と保険外診療を併用する混合診療の導入や診療報酬の自由化、海外からの患者に日本の医療技術を提供するメディカルツーリズムなど、提言を続けてきた。

 現在の医療態勢は自由主義社会の構造を無視している。「勝手な守り」は肝心な時に経営危機を引き起こす。名医と新人が同じ「価格」ではなく、差をつけるのも当然だろう。また診療報酬明細書(レセプト)も厚生労働省の添削が入る「ブラックボックス」で、かかる人件費も膨大だ。

 規制緩和は、最終的には国民が幸せになる。既得権を守れば結局、国民が負担する社会保障費は増え続けてしまう。経営危機の今こそ、病院の株式会社化など規制緩和を検討すべきだ。医療界をプロ野球に例えるなら、4番打者(名医)が監督(院長)になれても、球団経営者になれるかは、まったく別の話だ。(ワタミ代表取締役会長 兼グループCEO・渡邉美樹)

関連ニュース