記事詳細

【独話回覧】強欲につけこむ中国・習政権の「錬金術」 西側金融資本が術中にはまる!? 香港市場への期待抱かせ米ドル入手 (1/3ページ)

 6月末、中国の習近平政権が香港の政治、表現の自由を制限する「香港国家安全維持法(国安法)」施行を強行した。それに対し、トランプ米大統領は7月14日、「香港自治法」案に署名、発効させ、対中金融制裁を発動できるようにした。

 米国が金融制裁に重点を置く理由は、中国の通貨制度が実質的な意味でドル本位制であり、それを支えてきたのが国際金融センター香港であるという歴史的背景抜きには語れない。

 中国人民銀行は流入する米ドルを原則としてすべて買い上げ、人民元資金を発行する。中国本土から香港に人民元を持ち込めば、米ドルにペッグ(釘付け)された香港ドルを介して米ドルと自由に換えられる。中国にとって香港は、紙切れの通貨である人民元を価値ある米ドルに転換できる錬金術センターであり、金の卵を産むガチョウにも例えられる。

 香港自治法は、中国系、日欧など外資を問わず、香港抑圧につながる融資に関わると、米銀からのドル融資を禁じる罰則を盛り込んでいる。ドルが基軸通貨と称されるゆえんは、円、ユーロ、人民元などすべての国・地域の通貨の価値基準となっているからだが、ドルさえあれば、世界のあらゆる資源、資産、食料など値のつくものは何でも買うことができる。

 米ウォールストリート・ジャーナル紙(7月24日付)によると習政権が国安法を準備し始めたのは、香港では民主化要求デモが燃え上がっていた昨年夏である。ちょうど同時期に、米国政府と議会が米市場に上場している中国企業の不透明な財務内容を厳しくチェックし始め、上場基準の緩い香港市場に重複上場する必要性にも迫られていた。

関連ニュース