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【大前研一 大前研一のニュース時評】伊藤忠、コンビニ海外展開で能力不足露呈 (1/2ページ)

 日経新聞に「ファミマ、アジアで苦境」と題する記事が載っていた。ファミリーマートがタイの合弁会社の出資を引き揚げたことに加え、中国では現地のパートナーとの訴訟が続いて撤退の可能性も浮上しており、ファミマの完全子会社化を目指す親会社の伊藤忠商事が反転攻勢のカギを握るとしている。

 しかし、私は逆に、伊藤忠が関わっているからファミマの海外コンビニ事業が混乱しているのではないかと思っている。

 伊藤忠はコンビニ以外の分野で中国のシティック(CITIC)グループ、タイのチャルーン・ポーカパン(CP)グループという、それぞれの国の最大のコングロマリットと組んで、いろいろな事業をやろうとした。しかし、CPグループはタイではセブン-イレブンと組んで、約1万2000店も展開、大成功している。

 一方、ファミマは、タイの小売り最大手のセントラル・リテール・グループとの合弁会社を設立したものの、結局、その運営会社の持ち分49%を手放した。

 中国でも台湾の食品会社の頂新グループと合弁会社を設立して展開してきたが、関係は悪化し、合弁会社を売却するよう訴訟を起こした。ファミマ側は「利益相反取引に関する情報が開示されず、長期にわたるライセンス使用料の未払いもあった」と主張している。頂新はインスタントラーメンの康師傅などの販売網が中国最大のネットワークとなっており、20%の株式を持つ伊藤忠を介してアサヒなど日本企業との関係も深い。

 タイも中国もうまくいかない。これ、伊藤忠の能力不足が露呈したものだ。中国のCITICグループ、タイのCPグループと1兆円単位のファンドで何か共通なことをやっていこうと派手にアドバルーンを上げておきながら、めぼしい成果は上がっていないし、少なくともCPはその重要な分野をセブン-イレブンと組んでいる。

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