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【大前研一 大前研一のニュース時評】伊藤忠、コンビニ海外展開で能力不足露呈 (2/2ページ)

 伊藤忠がファミマにTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化するというのは、ニュース的には面白いかもしれないが、それ以前に伊藤忠は能力的にコンビニの海外展開には向いていないのではないか。

 コンビニの海外展開の話をもうひとつ。セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、米石油精製大手マラソン・ペトロリアム傘下でコンビニを併設するガソリンスタンド部門「スピードウェイ」を買収すると発表した。買収額は約2兆2000億円。新型コロナ感染拡大後では世界最大とみられる。これについては、私は使い道を間違わなければうまくいくと思う。

 セブン&アイHDは、2005年には米国のセブン-イレブンを完全子会社化して米国に約9000店展開している。これにスピードウェイの約4000店を合わせると1万3000店と拡大してダントツ1位になる。ここをリアル空間とサイバー空間の接合拠点にし、サイバーで頼んだものをリアルでピックアップする…などいろいろ工夫すれば、1万3000店は大きなパワーになると思う。世界最大の小売業ウォルマートもリアルとサイバーを組み合わせてようやくうまくいき始めている。

 ガソリンの需要は、今後、電気自動車の普及でどんどん少なくなっていく。その分、顧客のリクエストに応えるコンシェルジュサービスやeコマース(電子商取引)の補完は必要になってくる。これをうまく生かす上で、全米で1万3000の拠点を持つというのはプラスになる。日本でダントツのセブンが海外コンビニをさらに伸ばしていくのは、間違った戦略ではない。

 ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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