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【こんな時代のヒット力】つんく♂の「心をぎゅーっとしてくれる」絵本 『ねぇ、ママ?僕のお願い!』(双葉社) (2/2ページ)

 希代の音楽プロデューサーとの仕事は、当初から、「驚きの連続だった」と、片桐さん。最初の会議でどんな物語にするか打ち合わせするつもりが、「“ありがとう”か“ごめんね”か」と聞かれた。そして、「母親はどう言って欲しいのだろう」とつぶやいたのだ。つんく♂は歌詞を書く際、1枚の絵を頭に浮かべるというが、「そうやって発想するのか!」と驚かされた。「音楽家脳、作詞家脳で人生を捉えている人なんだ、さすが」と思った。

 1年がかりの制作。最大の困難は、新型コロナだった。つんく♂を絡めたリアルイベントができず、予定は大幅に変更となる。そもそも「こんな時に出版するべきか」「収束してから」など、つんく♂、スタッフ共に何度も話し合った。しかし、コロナによる経済不和、家庭内暴力の増加が報じられたこともあり、「こんな状況だからこそ」と出版を決めた。

 実は、男の子は貯めたお小遣いで母の日のプレゼントがしたかっただけ。自分のためという子供のピュアな想いに気づいた母親。それをつんく♂は「ママは僕を痛いほどぎゅーっとした ずっとずっとぎゅーっとしてた」と、子供主観で綴る。

 帯には大きく「ママがぎゅーっとしてくれるだけで僕は幸せになれる」と、親として1番言って欲しいと思う言葉が入る。心温まる絵本が、コロナ禍のママたちの心をとらえた。 (村上信夫)

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