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【榊淳司 マンション業界の秘密】中央銀行という“聖域”で経済常識が覆る…不動産市場への影響は (1/2ページ)

 私が大学で学んでいたのは40年ほど前だ。法科の学生だったが、ちょいちょいと経済学の講義も聞きに行った。

 その後、言論活動をするようになって経済というものに本格的に向き合った。いやはや、これはくせ者である。

 中央銀行というのは、私が学んだ限りはある意味「聖域」である。通貨を発行するのは神の所業を代行するようなものであるから、公正中立なんて当たり前。時々の政府の意向からも独立すべき、という考え方が基本だったように記憶している。

 現状は、私が学んだような常識がことごとく覆されている。それは日本だけでなく、世界的な傾向のように見える。

 アメリカはご都合に合わせてドルを刷り続けた。かつて金本位制だったころは1オンスが35ドルだった。今の実勢価格は2000ドル前後になっている。それだけ、ドルの価値が下がったということだ。

 日本の中央銀行である日本銀行も2013年の黒田東彦総裁の就任以来、常識を打ち破る金融緩和を実行している、その名も「異次元金融緩和」。

 円という通貨を刷りまくって市場に供給しているのだ。目標は「インフレ率年間2%」。黒田氏の就任以来、一度も実現しないが今も異次元金融緩和は続いている。それどころか、日々拡大している。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、政府は景気対策を行った。国民一人ひとりに10万円給付とか、事業所には200万円の持続化給付金の交付だ。政府が使ったお金は実質30兆円と言われているが、そのほとんどが赤字国債によってまかなわれた。

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