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【経済快説】市場目線でベストな後継首相は菅官房長官 アベノミクス継承期待で安心感 (1/2ページ)

 安倍晋三首相が健康問題を理由に突然辞任を発表した。辞任に至った経緯や、発表時期、その後に対する意図などは今後徐々に明らかになるのだろう。

 首相の辞任が発表された8月28日の金曜日に、それまで前日比プラスゾーンで取引されていた株価は、日経平均で一時前日比600円以上の下げを演じて、前日比326円安の2万2882円で引けた。株式市場は「安倍辞任」を悪いニュースと受け取った。首相の辞任が悪材料である理由は、アベノミクスの根幹である金融緩和政策が修正されるリスクと後継者が財政再建的な方向性に転じるリスクを市場参加者が感じるからだ。

 第2次安倍政権の経済を振り返ると、デフレ脱却を目的とした金融緩和政策は必要かつ有効であったが、2度にわたる消費税率の引き上げが経済にブレーキをかけ、「2%」のインフレ率目標を達成することに失敗した。長短の金利がほぼゼロに達して、金融緩和だけでは資金が民間経済に回らない状況になり、財政は赤字を拡大して需要を追加する必要があったが、これが不十分であったばかりか、2度の増税で緊縮に向かってしまったことは失敗だった。

 現状は、ここまでの反省を踏まえて、コロナ禍をきっかけに財政政策を拡張的に修正するチャンスであり、次期首相には、金融緩和を維持しつつ、財政を緊縮方向に向かわせないことが求められる。

 安倍氏個人は、首相を辞任しても政治から引退するわけではないが、経済政策に意見を言って次の首相に影響を与えようとはしないだろう。次期首相は就任当初にアベノミクス継承を語る可能性が大きいが、いずれ個人の(より正確には周囲のアドバイザーの)意見を反映させようとするだろう。

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