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【田村秀男 お金は知っている】こけおどし極まる中国・習政権の「米国債売却」 日本はじめ同盟国とFRBがしっかり買い支え…共産党幹部悔しがる? (2/2ページ)

 グラフは中国が2018年後半から米国債を減らしていることを示す。習政権は同時期に勃発した米中貿易戦争を受けてじわじわと米国債保有を減らしてきたわけだ。対照的に、日本が米国債を追加購入した結果、日本が中国を抜いて最大の米国債保有国になった。同盟国日本はさっさと中国による売却分を引き受けたのだろう。

 そんな具合で習政権は「米国債売却」を脅しに使えるだろうか。まず、日本をはじめとする米国の同盟国とFRBは米国債をしっかりと買い支えているのだから、米国債相場は崩れるどころか、上昇基調を保っている。前述のグローバルタイムズ報道では今年前半に1060億ドル投げ売ったとしているが、6月末の中国の米国債保有額は昨年12月末比で45億ドル増えている。米国債流通価格が上がっているためだ。計算高い党幹部は、米国債を買い増したほうが儲かったと悔やんでいるかもしれない。

 仮に、習政権がブチ切れて「1兆ドル以上、全面売却だ」と言い出せば、さすがに米金融市場は動揺するかもしれないが、売る前に米国債相場が暴落しようものなら、中国は巨額の国富を喪失することになり、割に合わない。こけおどし極まれりだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

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