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【大前研一 大前研一のニュース時評】人材派遣大手「パソナ」本社機能を淡路島移転のねらい 補助金・税制優遇措置が理由か (1/2ページ)

 人材派遣大手のパソナグループは、9月から段階的に東京にある本社機能の一部を兵庫県の淡路島に移している。1976年創業の同社は東京都千代田区に本社があり、人事や広報、経営企画などの社員1800人のうち、経営企画や人事などの社員約1200人が淡路島に常駐する見通し。管理部門の担当役員も含まれる。

 2024年5月末をめどに本社機能移転を完了させる方針。新型コロナの感染拡大をきっかけに、在宅勤務が定着し、地方移転も可能だと判断したという。

 自然豊かな淡路島での働き方改革推進に加え、本社機能を分散させることで、BCP(事業継続計画=災害やテロ、システム障害などの有事によって非常事態が生じた際でも、企業が事業を継続できるように行う対策)の観点からも移転するメリットが大きいとみている。

 同社はすでに08年から淡路島に進出し、農地を取得して就農事業も手掛けている。さらに、旧三洋電機が所有していた施設や廃校舎を活用した集客施設のほか、レストランや劇場、アニメと自然を組み合わせた体験型テーマパークなど観光事業を展開している。特に淡路市には、どこに行ってもパソナの施設があるといった様相になっている。

 淡路島出身の経営者というと、大手アパレルであるワールドの創業者・畑崎廣敏さん、電子部品大手の黒田電気の創業者・黒田善一郎さん、そして三洋電機の創業者・井植歳男さんらがいる。しかし、どの人も淡路島に本社を置こうなんて思っていなかった。

 ただ、淡路出身の人は不思議なことに、どこに行っても「淡路はいいところだ」と言っていた。淡路島に対する思いは、非常に強かった。三洋電機の井植さんなんて、淡路島がよく見える神戸のジェームス山の上に望淡閣という別荘を持ち、そこからずーっと島を見ていたという。

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