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【大前研一 大前研一のニュース時評】人材派遣大手「パソナ」本社機能を淡路島移転のねらい 補助金・税制優遇措置が理由か (2/2ページ)

 一方、今年初めから主に淡路島で執務しているパソナ創業者の南部靖之代表は、兵庫県出身。淡路島に目をつけたのはあまりにも不便で遠いので退職する人が増える、すなわち人件費削減が狙いではないか、と思うが、より“パソナ的”な理由としては補助金なのかもしれない。

 淡路島は地域活性化総合特区指定を受け、「あわじ環境未来島特区」になって、さまざまな補助金や税制優遇措置を受けられる。先に触れた農業の事業でも、兵庫県から「農業人材育成事業」として億単位の予算が出ている。

 パソナという会社の周辺には、どうも補助金や給付金のニオイが漂っている。人員削減をする企業の依頼で行うアウトプレースメント(再就職支援)のビジネスでも、次の仕事を紹介すると、補助金が出ることになっている。アベノマスクなどで政府がぶん投げたものを請け負う時に電通とともに常に名前が出ていた。取締役会長に政府の委員会などを歴任している竹中平蔵氏を配するなど補助金を追いかけるのは、日本一とも言われている。

 ついでに指摘しておくと、淡路島は意外にアクセスに不便なところだ。例えば、新神戸から淡路市に行くまでには車でも1時間以上かかる。かつてサントリーが赤坂見附からお台場に移転したが、営業部隊はすぐに戻ってきた。お台場なんて20分あれば行けるが、淡路島はそうはいかない。東京から行くには飛行場もないので伊丹か徳島から車か、関空からフェリーとなる。

 そういう意味でも、この移転、どういう結果になるのか見ていたい。

 ■ビジネス・ブレークスルー(BBTch)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。

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