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【榊淳司 マンション業界の秘密】安倍政権終焉、五輪開催は不透明で「都心湾岸マンション神話」崩壊か (1/2ページ)

 長年、不動産市場を眺めていて思うのは、日本人は本当に「不動産が好きだなぁ」ということ。

 われわれは基本的に農耕民族である。地べたをどれだけ所有しているかが、人間の格付けになっていた。江戸時代は一説に、日本国中の地べたの5分の1を支配していた徳川家が、日本の棟梁(とうりょう)だった。

 米国のペリー提督が日本にやってきた時、一体、誰がこの国を代表して条約を結ぶかが問題になった。徳川家は日本国中の武士の主君だけれど、征夷大将軍という官職を京都の天皇から授かって政(まつりごと)を代行しているに過ぎない、という法的な関係がにわかに浮かび上がってしまった。

 ここで江戸の将軍は京都の天皇に「条約を結んでいいですか」とお伺いをたてたり、全国の大名に「意見があったら聞くぞ」というスタンスを取ったことで、「幕末」という騒乱の時代を招くことになる。それがおよそ約15年。

 この時代まで、日本における価値は「米本位制」という状態だった。つまり、すべての価値の源泉は最後に「米の取れ高」のある土地に結び付く。

 諸説あるが、維新を起こした薩摩藩は87万石、長州藩は71万石、土佐藩は24万石。幕府を運営した徳川家は400万石とも言われる。

 石高とはこの米の取れ高である。自分の支配下にどれほどの田んぼがあるかによって人の価値が決まる時代が、日本では有史以来数千年も続いてきた。その最後が徳川家の支配だったのだ。それがほんの150年ほど前まで続いてきたことになる。

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