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【一生働く!】就労編・働くシニアの環境(8) 「介護離職」深刻な現状 ドイツでは家族相手でも有償の労働 (2/2ページ)

 ■家族介護も立派な労働

 「悔しくて自暴自棄になったこともありました」と話す廣瀬さんが心のよりどころにしたのが「山梨やろうの会」(事務局・韮崎市)だった。数カ月に1度、10人ほどが集まって悩みを打ち明ける。解決につながらなくても「自分だけじゃない」と気づくことで救われると言う。

 同会が主催するセミナーにも参加するようになり、海外の介護制度を学んだ。家族介護は日本では「無償の労働」だが、ドイツでは立派な労働として認められ、現金給付を受けることができる。「時間がかかっても日本で実現してほしい」と未来に願いを託す。

 そんな廣瀬さんに転機が訪れたのは6年前のこと。誠実な働きぶりが認められ、急な中抜けにも寛容な会社に転職することができたのだ。

 2年後に定年退職を迎えるが、会社から「長く働いてほしい」と打診されているという。「ありがたいことです。体が動くうちは生涯働き続けたいです」と話すその声に気負いは感じられない。30年かけて、ようやく伸び伸び働ける環境を自らの力で手に入れたのだ。(「オレンジ世代」取材班)

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