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「コロナ禍でも正社員増」は安心できる? 医療現場など先を見越し採用も…

 コロナ禍で有効求人倍率や完全失業率など雇用関連の指標が悪化するなか、意外にも7月の正規雇用者が前年同月比52万人と大幅に増加したことが注目されている。この数字をどう解釈すればよいのだろうか。

 総務省が発表した7月の労働力調査では、「非正規の職員・従業員数」が同131万人減の2043万人、「完全失業者数」が同41万人増の197万人となった。

 非正規が減り、失業者数も増加した一方で「正規の職員・従業員数」は同52万人増の3578万人という結果になった。総務省統計局の担当者によると、製造業で16万人、学術研究・専門・技術サービス業13万人、教育・学習支援業で13万人、医療・福祉で10万人の増加が反映されているという。

 緊急事態宣言が発令された4月の統計をみても、非正規雇用者が同97万人減少する一方、正規雇用者は同63万人増えた。今年2月と5月を除いて正規は増え、非正規が減少の傾向にある。

 企業業績が悪化し、先に非正規が切られている様子がうかがえるが、正規雇用が増えている原因をどうみるか。

 雇用問題に詳しい第一生命経済研究所副主任エコノミストの星野卓也氏は、「医療現場は人手不足だ。先を見越して採用する必要がある業種のため、コロナ禍で経営が苦しくても正規雇用を増やしているのかもしれない」と分析する。

 7月の正規雇用は増加したが、今後の雇用環境については楽観できないと星野氏は指摘する。

 「非正規が先に雇用を失い、タイムラグ(時間のずれ)があって正規の雇用が失われる。雇用調整助成金や無利子・無担保の融資など支援策の効果が切れると、特に旅行や観光産業で正規雇用にも影響が出てくるのではないか」

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