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【定年後 難民にならない生き方】銀行との面談でわかった「遺言作成」の現実 (1/2ページ)

 親が元気なうちに、将来の介護や相続について状況や意思確認をしておきたい。だが、そのきっかけがつかめずにいるという悩みをよく耳にする。ましてや、法律家を交じえての相談にどうこぎつけるのか、見当がつかないという声もある。筆者は夫の父親(義父)の公正証書遺言作成の手続きに立ち会った経験があり、つい最近は自分の両親と司法書士との面談セッティングに成功した。子が、親の介護や相続に関する手続きを支援する場合、どのような点に留意すべきか、それぞれの事例から振り返ってみたい。

 義父の公正証書遺言作成に関わることになったきっかけは、都市銀行のセールスだった。「相続税対策にもなる」という触れ込みの生命保険が満期を迎え、それを新たな商品に掛け替えるように熱心な売り込みがあった。義父は相続税対策にはあまり興味がない様子だったが、銀行から繰り返しアポイントの打診があり、「話だけでも聞いてみよう」と心が動いたらしい。雑談のなかで、その話を聞いたとき、「同席させてもらってもいいですか」と頼んだのは、銀行の熱心さに対する警戒心が働いたというのが一番の理由だ。

 義父が決めることに口を出すつもりは毛頭なかったけれど、言葉巧みにこちら側に不利な商品を売りつけようとされているのであれば阻止したい。義父はあっさりと承諾してくれ、夫と2人、その場に同席することになった。

 銀行との面談当日、先方の担当者は“立て板に水”といった調子で、生命保険をはじめ、相続に関連する商品やサービスを熱心に勧めていた。ただ、思ったよりも義父が「相続税が節税できます」という売り口上に飛びつかないため、苦戦していた。結局、その日の義父はその場で何か金融商品を購入したり、契約を結んだりすることはなく、「不利な商品を売りつけられたら困る」という心配は取り越し苦労に終わった。

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