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【渡邉美樹 経営者目線】二重行政や縦割り解消は「当たり前の改革」 無尽蔵に財源があるわけでない (1/2ページ)

 大阪維新の会が進めた大阪都構想の住民投票が否決された。私は過去に「大阪府・市」の特別顧問も依頼され、身を切る改革には賛成で、ぜひ二重行政は解消してほしいと思っていた。都構想どころか、その先の「道州制」にも賛成だ。コストパフォーマンスを意識する経営者ほど「二重行政の無駄」に目がいく。

 大阪では、政令指定都市である大阪市がほとんどの業務を管轄し、府の権限は警察権など一部に限られる中、府議会議員の定数ばかりが多い。大阪府などが出資した「りんくうゲートタワービル」と大阪市などが出資した「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(現・大阪府咲洲庁舎)などの類似した、事実上機能しなかったハコモノもある。

 市の年間収入約8600億円のうち、2000億円を府に移す内容で、市民に負担が生じるわけではない。これまで1市で実施されてきた住民サービスも4区分割できめ細かくできる提案だ。

 定数減を恐れる大阪府議や、既得権を失い被害を受ける人たちが反対する理由はわかる。しかし、最終盤では「市4分割でコスト218億円増」との報道が反対派の論拠になった。市は否定したが、市民もメディアの見出しに踊らされた。仮に200億円要しても、現状維持における負担の比ではない。

 組織を放置すれば、縦割りや既得権が増す。人間の弱さが自分の領域を守ることにつながり、全体最適は二の次になる。

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