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【大前研一 大前研一のニュース時評】先見えぬ「築地」の跡地利用 都の再開発方針は時代遅れ、晴海・勝どきとの一体開発で海外のビジネスマン呼び込め (1/2ページ)

 「築地跡地開発、先見えず」と題する記事が日経新聞に掲載された(1日付)。東京都の中央卸売市場が築地から豊洲に移転して10月で2年たったが、23ヘクタールもある築地の跡地開発は、新型コロナによる東京五輪・パラリンピックの延期や観光産業などの業況悪化で先行きが不透明-と記されていた。確かにタイトルどおり、先が見えない。

 都はこの築地跡地を東京五輪・パラリンピック期間の選手たちの輸送拠点とし、バスと乗用車計2700台分の駐車スペースを設ける。もったいない話だ。

 その後についても、都が昨年発表した「MICE」(マイス)と呼ばれる築地再開発方針によると、国際会議場や国際展示会、見本市、イベントを核にした大規模な集客、交流施設のほか、高級ホテルなどが想定されていた。国際展示場は世界的に余っている。首都圏にも幕張メッセ、東京ビッグサイトがある。もはや展示場の時代ではない。

 MICEはドイツなどではほとんどの主要都市の郊外にあるが、イベントをやっていないときは閑古鳥だ。週末の大手町と同じであるが、さすがに築地の一等地でやるにはもったいない。

 私は20年以上前から、築地は晴海、勝どき地区と一体開発して、世界中から人・カネ・物・情報を呼び込む「職住接近24時間タウン」を提案している。この湾岸エリアもやり方次第でニューヨークのバッテリーパークやロンドンのカナリー・ウオーフ、シドニーのダーリングハーバーのようなスポットになる可能性を秘めている。

 海外の企業やビジネスマンを呼び込むには、職場と居住地域が近いことも重要。このエリアは銀座だけでなく大手町や虎ノ門にも近いから、住宅を整備すれば職住近接のライフスタイルも提供できる。

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