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【こんな時代のヒット力】「HSP」の肯定に多くの共感  飛鳥新社『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』 (2/2ページ)

 本を企画した同社取締役編集長、矢島和郎(かずろう)さんは、武田さんのHP(ホームページ)に目が止まった。「それまでマイナスのイメージだったHSPを『繊細さん』と呼んで、優しい所が魅力だった」

 そこでHSPを知らず苦しんでいる人に向けた本の出版を決断。専門用語を避け、解説をつけた上で、自分のことと感じてもらうために事例に多くのページを割くなど、細部にまで工夫した。

 良い本という自負はあったが、「2~3万部売れたらいいな」という程度の期待度だった。しかし、1年経っても本は確実に売れ続けた。タレントの田村淳さんが「俺はHSPだった」とツイートするなど、多くの読者が自ら発信、話題を広げた。

 「自分は非繊細さん」という矢島さん。武田さんと打ち解けるまで時間はかかったが、武田さんの指摘で「『せいだ』『してしまう』は自責に繋がるため、文章に使用しない」と細部まで気を配った。それが、「読後感がいい」「私のことをわかってくれる」という共感につながり、「繊細なのは武器だ」と実感した。

 2020年4月、テレビ番組で紹介されると、一気にブレーク。これまで発売直後一気に売れるベストセラーは何度も経験してきた矢島さんだが、ゆっくり売れるベストセラーもあることを学んだ。それは、HSPを繊細さんと呼んで肯定した“初めて”があったからだという。

 11月10日、続編として、マンガ版の『わたしは繊細さん まんがでわかる!HSPが自分らしく生きる方法』が発売された。(村上信夫)

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