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【大前研一 大前研一のニュース時評】米国vs豪州、日本を舞台に牛肉戦争 輸入量増えている米国産、豪州は巻き返しに必死 (2/2ページ)

 また、豪州は干ばつの影響で牛の生産量が減り、高値傾向が続いた影響もある。豪州としては、米国に日本を奪われたら大変だ、ということで、巻き返しに必死になっている。

 米国産はコーンなど穀物で育ったグレインフェッドビーフだが、豪州は牧草を食べて育ったグラスフェッドビーフという肉が主流。20年ぐらい前は、日本の主婦の間で「豪州の肉は独特のニオイがして嫌だ」という人も多かった。しかし、最近では日本人好みの味も研究されて、豪州産の赤身の牛肉は見直されている。

 そういう点で、豪州産は1つのポジションを日本にも築き上げたと思う。すべての輸入牛肉が米国になるということはない。

 以前、このコーナーでも触れたが、赤身部分が多く、肉本来のうまみが感じられるという意味では、私は広大な牧草地で育てられたアルゼンチン産の牛肉が一番おいしいと思っている。これほど柔らかい赤身肉は、日本では阿蘇の「あか牛」、岩手の「短角牛」ぐらいしか思い浮かばない。

 南米で広まった家畜伝染病の口蹄疫ウイルスによる感染症問題も、06年に解決してから長い時間がたち、アルゼンチン産を輸入してもOKということになった。

 アルゼンチンは牛肉の1人あたり消費量が日本の10倍。生産量も米国、ブラジル、EU、中国、インドらに次ぐ有数の牛肉大国。豪州と同様、グラスフェッドビーフだ。

 ネットでブエノスアイレスの肉料理の紹介ページをめくってみれば400件近いステーキハウスが出てくる。クリントン大統領が何回か来たという、ある店に私も2度行ったが、日本人の口にも間違いなく合うんじゃないかと思う。

 ■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋

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