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苦境の地域鉄道「今あるモノ」で勝負 「コストほぼゼロ」企画で車両宿泊や部品販売、それでも路線維持の決定打にならず (1/2ページ)

 沿線の人口減少と新型コロナウイルスのダブルパンチにあえぐ各地の地域鉄道が、音や部品といった既存資源を活用した企画に力を入れている。車両にファンを寝泊まりさせたり、踏切音を配信したり、手すりを販売したり。低コストで済み話題にもなりやすいが、「中長期的な乗客増にはつながりにくい」との指摘も。それでもあの手この手で奮闘中だ。

 「思ったよりふかふか」。11月下旬の深夜、静岡県富士市。岳南電車の吉原駅に止まった車両内で、西村優汰さん(26)が座席に横たわり歓声を上げる。自宅のある千葉県から東京都内の会社まで電車通勤する毎日。「普段なら迷惑行為だが、今日は堂々と楽しめる。ぜいたくな気分」

 鉄道愛好家を車両に泊める異色の企画。参加者はお気に入りの“寝床”でビールを飲んだり、車窓から夜空を眺めたりして思い思いの時間を過ごす。この日が誕生日だという小学6年の真覚遥輝(まさめ・はるき)君(12)=富士市=はすぐ隣を通過した夜行列車に「最高のプレゼント」と興奮気味に話した。

 同社の担当者が「車両を夜間に活用すれば、ダイヤに影響を与えずにファンに特別な体験を味わってもらえる」と思い付いた企画。第2回となったこの日は全国から15人が参加した。

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