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民主党政権の“負の遺産”福島沖風力発電を全撤去 約600億円投入も採算合わず

 経済産業省は16日、福島県沖に設置した浮体式洋上風力発電施設を、不採算を理由に来年度に全て撤去すると福島市での会合で表明した。東京電力福島第1原発事故からの復興の象徴として、民主党政権時に事業化が決まり、約600億円が投じられていた。

 経産省担当者が漁業関係者らを集め、撤去方針を伝えた16日の会合では「税金の無駄遣いではないか」などと批判が相次ぎ、事業失敗の要因分析を求める声も出た。

 同発電施設は2012年から、原発事故で一時全町避難となった楢葉町の沖合約20キロに3基を順次設置。最大の1基は今年6月、不採算を理由に撤去し、残る2基で商用化に向けた実証研究を続けていた。

 経産省は民間企業への払い下げを模索したが、長期的に採算が合わない恐れがあるとして最終的に撤去を決断した。

 実証研究に参加した丸紅によると、撤去が決まった2基のうち出力5000キロワットの風力発電は20年11月の設備稼働率が26・7%。同2000キロワットのもう1基は36・3%だった。一般的に商用化の目安は30~35%以上とされるが、同2000キロワットだけの稼働では採算が取れないと判断した。

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