【経済快説】急落と急騰の株価1年 急落後の戻りを超えて高値を更新する“異例”の動き (1/2ページ) 経済快説
今年の株式市場は、記憶に残るにちがいない印象的な動きを見せた。株価だけでなく、社会全体が「コロナ」に振り回された1年だったが、株価は急落と急騰を演じた。
コロナ感染が欧米に広がり、さらにはわが国でも拡大するに及んで、年初には2万3000円台だった日経平均は3月には1万6358円の安値を付ける急落となった。
ニューヨーク市場のダウ工業株30種平均も年初に2万8000ドル台だったものが、3月には1万8213ドルまで落ち込んだ。コロナによる経済活動の急停止・急減速の悪影響に加えて、特に米国でエネルギー関連企業などの倒産や債務不履行から金融的な危機が起こるのではないかとの懸念が下落に拍車を掛けた。
1990年代の日本のバブル崩壊や2008年のリーマン・ショックでは、金融的な要因(資産価格下落)が実物経済の不況に波及したが、今年の「コロナ・ショック」と呼びたくなる株価急落は、いきなり実物経済が悪化した点で従来の株価急落局面とは異なった。
株価急落の幅とスピードも印象的であったが、その後の戻りの速さと、さらに単なる戻りを超えて高値を更新する株価の動きも異例だった。