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【こんな時代のヒット力】類書にない通な人物にフォーカス 歴史キッズの興味を喚起 ポプラ社「コミック版日本の歴史」 (1/2ページ)

 2021年2月から放送予定の大河ドラマの主人公は渋沢栄一。彼はどんな人物かご存じだろうか? では、明治維新の志士、由利公正は? 橋本左内は? ここまでくるとかなりの歴史通である。

 しかし、歴女ならぬ歴史キッズは侮れない。ポプラ社(東京都千代田区)の学習漫画「コミック版日本の歴史」シリーズでは、公正、左内らの巻も、お馴染み維新の英雄たちと同様、読者から支持されているのである。

 同シリーズは2007年の刊行。歴史をテーマにした学習漫画は多くあるが、その多くは通史であり、コミック版は人物伝の嚆矢(こうし)である。渋沢は20年12月発売、シリーズ77冊目の最新刊だ。

 刊行のきっかけを、同社児童書事業局児童編集第2部の勝屋圭さんは、「熊本の本屋さんの声」だと言う。震災で傷つく10年前、築城400年を迎え、地元は城を作った加藤清正への関心が高まっていた。しかし、子供たちに読みやすい本がない。歴史の学習漫画は存在していたが、通史ばかり。それを聞き、「人物にフォーカスしたら面白いかも」と、企画された。当時、同社は児童向けの漫画誌を刊行、漫画編集者が育っていたことも、挑戦を後押しした。

 だが、ポプラ社にとって歴史ものの学習漫画は未知のジャンル。そうそう精通した編集者がいるわけでなく、結局、勝屋さんが漫画誌の担当をしながら、手探りで信長、秀吉、家康、そして加藤清正を刊行する。「今ではあり得ないが、会社に泊まり込む日々だった」。いずれも重版となる好調な出だしとなった。

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