記事詳細

【新・兜町INSIDE】地銀の非上場化元年か…金融庁が「助け舟」

 金融庁所轄の金融審議会は昨年12月22日付の報告書に「地銀の非上場化」を盛り込んだ。単純な経営統合や業務提携による再編が必ずしも地銀の経営体力回復につながらない実情を踏まえ、非上場化して配当金支払いなどの負担を軽くするという現実的な選択肢を提示した形だ。

 金融庁によると、102ある地銀のうち非上場は8行(持ち株会社傘下の銀行を除く)。政府や東証の後押しで機関投資家が利益還元圧力を強めているため、利益が減っても高水準の配当を維持するケースが目立っている。一方、新型コロナ禍の長期化で日銀は現行のマイナス金利政策を解除するめどを立てられず、融資利率の低迷で銀行の体力がそがれていくのは必至だ。

 しかし、非上場化すれば株主還元という重荷から解放される。金融審の報告書では「収益目標を引き下げることも一案になるとの指摘もある」として助け舟を出した格好だ。制度設計の次は実例がほしくなるのが官庁の習性。今年は銀行のMBO(経営陣による買収)第1号が出てきそうだ。

 【2021年1月6日発行紙面から】

関連ニュース