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【田村秀男 お金は知っている】アリババグループ創業者・馬氏は習政権に抗う「英雄」か 米国を油断させる「英雄演技」をしている可能性も (1/2ページ)

 中国最大のネット資本、アリババグループの創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が2カ月以上の間、消息不明になっている。

 中国では憶測が飛び交う。「当局に監禁されている」「本人が自重して表に出ないだけ」などさまざまだ。どの見方も習近平政権と馬氏の緊張関係説が背景にある。

 アリババや傘下のアント・グループは電子決済からネットを使った金融サービスまでを手がける。馬氏は昨年10月24日、銀行界、金融監督当局や政府の要人が出席した上海の会合で、中国の銀行はまるで「老人クラブ」であり「質店」程度の感覚で営業しているとズバリ。すると当局はアントが計画していた上海と香港での新規株式上場(IPO)を無期限延期させた。

 さらに、アリババには独占禁止法違反容疑で調査を開始したばかりか、アントに対しては金融持ち株会社を設立させ、国有資本が出資して影響下に置こうとする動きに出た。

 この流れの中での馬氏動静不明というわけで、噂の話の多くは、党独裁の市場支配に対する馬氏の抵抗という構図である。

 だが、何かヘンである。馬氏は一介の英語教師から起業家に転じたのだが、この国で党権力との結びつきなくして大成功を収められるはずはない。現実に、馬氏は習氏に忠誠を誓うれっきとした共産党員である。

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