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【独話回覧】バイデン流「対中多国間包囲」切り崩す中国のデジタル人民元 ドル依存の弱点克服、資本逃避封じ経済成長 (1/4ページ)

 中国はコロナ禍に沈む日米欧を尻目に昨年、経済のプラス成長を遂げ、いわば「コロナ焼け太り」した。対する米国では単独での対中国強硬路線を貫いたトランプ前政権に代わって、国際協調主義のバイデン政権が発足し、対中多国間包囲構想を練っている。当然のように習近平政権は切り崩しを狙う。その有力手段となるのがデジタル人民元の発行である。

 コロナ・パンデミック(世界的大流行)の中で、中国が内需停滞の中で曲がりなりにも経済を拡大させられた最大の要因は対米など輸出で、2020年の全輸出増加額は国内総生産(GDP)の拡大分の24%と前年の水準の2倍となった。

 貿易収支黒字総額のうち、対米が約6割を占める。米国内の感染拡大のために生産現場が混乱する一方、在宅勤務のために電子機器需要が増加した。米国を含め世界各国がマスクや抗生物質など医療用品やスマホ、パソコンなどの製品や部品の供給を中国に頼らざるをえず、脱中国どころではなくなったのだ。

 米国は18年7月、中国からの輸入品に制裁関税を発動し、中国は報復関税で応じた。トランプ氏は当時、「貿易戦争には簡単に勝てる」と自信満々だった。19年には中国の対米輸出、対米黒字とも減った。20年1月中旬には「第1段階の合意」が成立し、米国が圧勝する形で一時休戦となったが、ほぼ同じタイミングで、中国・武漢でウイルスが感染爆発し、またたく間に米国など世界にまき散らされ、米中貿易戦争の形勢を逆転させた。

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