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【独話回覧】バイデン流「対中多国間包囲」切り崩す中国のデジタル人民元 ドル依存の弱点克服、資本逃避封じ経済成長 (2/4ページ)

 第1段階合意の目玉は20~21年に中国側が米国からのモノとサービス輸入を計2000億ドル(約21兆円)増やす約束である。ところが、対米輸入は20年1年間で総額1350億ドル、前年比で127億ドルしか増えていない。対照的に、対米輸出は341億ドル、対米輸出超過額は214億ドル増えた。もしトランプ氏が再選されていたら、前にも増して激しい対中制裁策を繰り出しただろう。

 バイデン大統領はどうするのか。大統領就任前は「第1段階合意は大失敗」と厳しく批判していたくらいだから、対中制裁関税を撤回しかねない。バイデン氏は米国単独のトランプ式ではなく、国際協調を標榜(ひょうぼう)していることから、日欧を含む主要7カ国(G7)、中国を含む20カ国・地域(G20)、世界貿易機関(WTO)など多国間の枠組みを活用して中国と対峙(たいじ)するオバマ政権時代の手法に回帰する可能性は高い。

 習政権は「対話」を呼びかける一方で、着々と次の手を打っている。極め付きはデジタル人民元の発行だ。それは輸出によって稼ぐドルに依存する中国経済・金融システムの弱点を克服し、人民元経済圏に各国を巻き込み、「対中包囲」の思惑をあきらめさせるもくろみがあるはずだ。

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