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【独話回覧】バイデン流「対中多国間包囲」切り崩す中国のデジタル人民元 ドル依存の弱点克服、資本逃避封じ経済成長 (3/4ページ)

 グラフは、中国人民銀行による人民元資金発行と外貨準備(外準)の推移である。中国は対米など対外貿易収支の黒字や外国企業の対中投資に伴って流入するドルを人民銀行に集中させることによって外準とし、そのドル資産に応じて人民元資金を発行し、高度経済成長を遂げてきた。

 ところが、外準は14年をピークに16年まで激減した後、3兆ドルを少し上回る水準でほぼ横ばいになった。外準の大半を占める人民銀行の外貨資産の人民元発行高に対する比率は15年に100%ラインを割った後は急落の一途で、昨年末には63%に落ち込んだ。

 人民銀行に外準が増えないと、経済成長のために必要な資金の追加発行を抑えざるをえなくなる。主力外貨獲得源は対外貿易収支黒字と対外借り入れで、20年の場合、貿易黒字と対外負債増加分の合計額は7000億ドル以上だが、外準は1000億ドル余りしか増えていない。巨額の資本逃避が止まらないためだ。

 習政権による香港の締め付けの大きな動機は資本逃避の受け皿という事情にある。中国本土と香港をデジタル人民元決済で統合すれば、いつだれがどのように、どこへカネを動かしているかを掌握できる。カネの抜け穴封じが容易になるのだ。

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