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【独話回覧】バイデン流「対中多国間包囲」切り崩す中国のデジタル人民元 ドル依存の弱点克服、資本逃避封じ経済成長 (4/4ページ)

 もう一つ、ネット取引の時代ではデジタル通貨は従来のペーパーマネーに比べて格段に使い勝手が良くなる。すると、ドルを経由しなくても人民元で対外取引しやすくなる。小口取引はスマホ、大口資金移動はパソコンというふうに、指先一本で中国の国有商業銀行や中国当局が管轄する外国金融機関が国境を越えた人民元資金のやりとりを行う。貿易相手国企業と金融機関は対中ビジネスで不利にならないためにもデジタル人民元決済に応じざるをえなくなる。

 「国際協調」と言うは易しだが、どの資本主義国もカネには弱い。トランプ氏のような強烈な「自国第一主義」のような基軸が不在だと、習政権の思うつぼにはまりかねない。

 ■田村秀男(たむら・ひでお) 産経新聞社特別記者。1946年高知県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後の70年日本経済新聞社入社。ワシントン特派員、米アジア財団(サンフランシスコ)上級研究員、日経香港支局長などを経て2006年産経新聞社に移籍した。近著に『検証 米中貿易戦争』(ML新書)、『習近平敗北前夜』(石平氏との共著、ビジネス社)、『日本再興』(ワニブックス)など多数。

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