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【榊淳司 マンション業界の秘密】日本も欧米並みに「中古物件」が主流に 市場では新築を1万戸以上も上回る (1/2ページ)

 どうやら首都圏における2020年の新築マンション供給戸数は2万8000戸を割ったようである。私がウオッチングしてきた過去30年では最低ではなかろうか。

 もちろん、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が出されたり、外出の自粛ムードが広がったことなどが影響している。

 しかし、そうでなくてもここ数年は減少傾向がはっきりしていた。私が考えるその原因は、需要側の購入資力を超える価格の高騰に加え、購入層の絶対的なボリューム減少である。

 18歳人口が年々減少していることでも示される通り、若年層の人口自体が減っている。さらに全国規模で住宅の数量自体が過剰気味でもある。人が住んでいない空き家の方が増加しているのだ。

 統計上だけで考えれば、日本では新たに住宅を建設する必要性はなくなっている。それでもこの国では、毎年100万戸近くの新築住宅が建設されてきた。当然、過剰感は高まっていく。

 よく言われることだが、日本人は欧米諸国の人々に比べて「新築好き」である。例えば、英国では「家を買う」というと、それは中古が当たり前で、新築の住宅を購入する、あるいは建築するというのは特別なことになる。

 日本で30代や40代の方が「家を買った」となると、それが新築であることが当然のような空気感がある。むしろ中古住宅を購入すると「中古?」という感じになる。

 しかし、時代は徐々に変わりつつある。

 実は昨年の首都圏では、中古マンションがよく売れた。国土交通省所管の東日本不動産流通機構に登録された成約件数だけで3万5000戸を超えた。新築を1万戸以上も上回っている。ここに登録されていない成約もそれなりにあると推定されるので、もはや中古物件は市場の主役である。

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