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【榊淳司 マンション業界の秘密】日本も欧米並みに「中古物件」が主流に 市場では新築を1万戸以上も上回る (2/2ページ)

 マンションにおける新築と中古の違いはさまざまある。その1つは、新築は売主が大手企業である場合がほとんどだが、中古の売り手はほぼ個人であることだろう。

 大手企業が新築マンションを開発する場合は、土地代や建築コストなどを積み上げて販売価格を決める。したがって、市場の動きが価格に反映されるまでには1~2年のタイムラグが生じる。

 中古の場合は、売り手である個人が売り出し価格を決められる。困っている人は多少安くても早く売りたいと考える。

 コロナ以前、中古マンションを売却する人の多くはあまり困っていなかった。「時間がかかってもこの価格で売りたい」という人が主流だった。

 昨年は、そういう強気価格の物件でも一部地域ではよく売れた。「はやく個室や共用施設でテレワークができる住宅に引っ越したい」という特需が発生したのだ。

 しかし、どうやらそういう特需も一巡しつつある。今後は「住宅ローンの返済がきつくなったから売却したい」という、困っている売り手の物件が市場の主役になりそうな気配を感じる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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