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【定年後 難民にならない生き方】新しい形の多世代交流 玩具教材づくりで高齢者が対価得るしくみ (1/2ページ)

 こども園や保育園・幼稚園で子供たちが遊ぶおもちゃの「素材」を地域で暮らす高齢者が“玩具素材作家”として作り、対価を受け取る-。2021年2月にプレオープンした「玩具工房ゼペット」(仙台市太白区)は新しい形の多世代交流であり、高齢者活躍の端緒を開く。未就学児と高齢者をつなぐ発想はどのように生まれたのか。プロジェクト推進を支える団体のひとつであるNPO法人コトラボ代表の軍司大輔氏に聞いた。

 「そもそものきっかけは、保育士さんたちの働き方改革です。保育の現場では持ち帰り仕事が非常に多い。中でもボリュームを占めるのが『教材づくり』です。とりわけ工作が苦手な方にとっては負担が重い。この部分をどこかに外注できないだろうかと相談されたのが始まりでした」

 発注内容は「おもちゃの素材」がメイン。例えば、牛乳パックに紙を貼り付けたり、新聞を丸めたりするなど、工作の前段階の下ごしらえを行う。「もともと、自宅から通って日帰りで介護サービスを受けられる『デイサービス』などでは、こうした手仕事がレクリエーションやリハビリテーションの一環として行われています。ならば、高齢者の方々に“仕事”としてお願いする選択肢もあるのではないかと考えました」

 圏域の地域包括支援センターに相談するとやはり、候補者は大勢いることが判明。こども園側とすれば、ある程度まとまった数が確保できるほうが望ましいという事情もあり、まずはデイサービス施設と連携してのプレスタートが実現した。

 「仕事といっても強制参加ではなく、デイサービスの利用者さんの中で、興味がある人だけ参加してもらうスタイルです。おもちゃの素材づくりは多少波がありつつも、1年を通じてニーズがあります。素材ひとつあたりの単価は数円~数百円で、本気でやれば、時給1500円程度は可能。クオリティーも大切にしてます」

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