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【一生働く!】〈個人編〉追求し続ける(1) 「これまで書けなかったことを書く。あと20作品は小説を書きたい」 元新聞記者・滑志田隆さん (1/2ページ)

 定年退職を迎えた時に「やりきった」と燃え尽きるか、「まだやるべきことがある」と再燃するか。新聞記者を30年間勤めた滑志田隆さん(69)が本格的に小説を書き始めたのは引退後のことだった。

 ■「長年の宿題」を果たしたい

 2018年、初の短篇小説集『埋もれた波濤』(論創社)を出版し、「今、本当に書きたいことを書いている」と充実感をにじませる。

 小説の題材は、83年9月に起きたソ連戦闘機による大韓航空機撃墜事件。滑志田さんは、毎日新聞社会部一年目の記者として事件発生時と遺族の取材に当たったが、新聞記者の立場では書けないこともあった。「真相は解明されないまま、闇に埋もれてしまった。作品を通して事実を究明するだけでなく、混沌とした事実関係の中にある人間の真実とは何なのかを問いかけたかった」

 幼少期から虫や鳥が大好きで、憧れの人は小学4年生の時に本で出会った野鳥研究家で詩人の中西悟堂。鳥と会話し友情関係を築く悟堂に夢中になり、「日本野鳥の会」の創設者でもある悟堂の影響で、自然保護活動に関心を抱くようになった。

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