記事詳細

【田村秀男 お金は知っている】日本はコロナからの“V字回復”できるのか 菅首相は財政出動で「国民の食い扶持」つくれ (1/2ページ)

 中国・武漢発の新型コロナウイルス・パンデミック(世界的大流行)に襲われた2020年、先進国の国内総生産(GDP)実質成長率は軒並みマイナスである。

 だが、悲観しすぎは禁物だ。経済というものは谷が深ければリバウンド(反転)する力も強い。いわゆるV字型回復であり、政治リーダーは実績を上げるチャンスととらえるのが世界の常識というものだ。とりわけ、政権の座についた米国のバイデン政権は1兆9000億ドル(約200兆円)の追加財政支出に前のめりだ。

 わが国では、昨秋に安倍晋三政権から菅義偉政権に移行したが、菅首相やその周辺から「V字型回復をやりとげよう」といった威勢の良い言葉が出てこない。菅首相の1月18日の国会施政方針演説がその代表例だ。

 同演説の結びで、時あたかもバブル崩壊のピーク時、1996年に衆院議員に初当選したとき、恩師の梶山静六官房長官から言われた2つのことを信条としていると述べた。

 梶山氏は少子高齢化と人口減少が進み、経済はデフレとなる大変な時代に菅氏が政治家になったとし、「その中で国民に負担をお願いする政策も必要になる。その必要性を国民に説明し、理解してもらわなければならない」と説いた。もう1つは「国民の食い扶持をつくっていくのがお前の仕事だ」という。

 いかにも朴訥な地方出身の苦労人といった菅氏の面目躍如のように思わせるのだが、デフレ不況の中でも「国民に負担を」とは支離滅裂である。「国民の食い扶持をつくる」とは経済を成長させることで、政治家が最優先すべきアジェンダなのだが、これまでの四半世紀もの間、実質経済成長率がゼロ%台で、しかも国際標準のドル建てではマイナス成長だ。

関連ニュース