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【田村秀男 お金は知っている】日本はコロナからの“V字回復”できるのか 菅首相は財政出動で「国民の食い扶持」つくれ (2/2ページ)

 日本国民は国際社会では相対的に貧困化してきた。消費税増税や財政支出削減という「国民負担」を強いてきた結果である。この失敗の歴史は菅氏の念頭に全くないようで、がく然とさせられた。この伝だと、ポスト新型コロナでは消費税大増税をひそかにもくろむ財務官僚の思うつぼにはまりかねない。

 冒頭の話に戻す。グラフはリーマン・ショック以降、新型コロナ・ショックの昨年までの日米と欧州ユーロ圏の実質経済成長率である。2008年のリーマン後、日米欧ともV字型回復を果たしている。日本の「谷」が最も深い代わりに、リバウンド力も高かったことが読み取れる。財政出動の効力を示すものだ。

 ところが日本の景気は東日本大震災を受けた11年に落ち込んだ後、アベノミクス初年の13年には財政支出拡大を受けて上向いたものの、14年以降は元通り、国民負担増を意味する消費税増税と緊縮財政に回帰した。19年10月には消費税再増税、そして20年に入るとコロナ・ショックの追い打ちを受けた。

 「食い扶持をつくる」ことが世界の財政政策の新潮流になっていることを、菅首相は肝に銘じるべきだ。 (産経新聞特別記者・田村秀男)

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