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【経済快説】国民が「宣言再延長」に不満な理由 我慢の結果が見通せず 政府は心理の研究が足りない (1/2ページ)

 首都圏の1都3県に対する緊急事態宣言が2週間延長された。今回は知事からの要請に先立って、菅義偉首相が延長の必要性と「2週間程度」という期間に言及した。「政府が後手に回っている」という印象を避けたかったようだ。

 しかし、もともと自治体の首長の要請を受けて政府が宣言の発令を検討する仕組みなので、自治体側に政府が振り回される構図になりやすい。

 一方、この「2週間」という半端な期間に対して、政府・自治体のメッセージ発信は不十分だ。「気の緩み」や「リバウンド」を警戒せよとの呼びかけに、うんざりしている国民が少なくない。

 今や「コロナを徹底的に警戒したい」という人々と、「経済こそが大事だ」と考える人々に国民が大きく分断されているが、どちら側から見ても不満なのではないか。

 緊急事態宣言は、経済活動の停滞と日々の活動の制限をもたらし、国民に我慢を強いている。特に、経済優先派には期間延長は許しがたい事態だ。

 期間をまず1カ月延ばし、次に2週間延ばすといった、「延長と様子見」が続き、国民には「いつまで我慢したら、どのような良いことがあるのか?」がはっきりしない。

 意思決定および経済心理の問題として「この先に平均的にはかくかくの状態を予想するが、最悪の場合はこうなるので、その場合にはこうする」という「最悪の場合」の想定を示した説明が必要だ。

 悪い場合でも備えとしての「プランB」があることは意思決定上重要だし、「最悪の想定よりもましだった」という状況推移は心理的に「我慢の報酬」となる。

 我慢には、「我慢によって状況が好転している」という状況評価を行うための比較基準が必要だ。行動経済学で言うアンカリング(最初に与えられた情報に行動が影響を受けること)の対象が重要だ。

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