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【経済快説】日銀審議委員人事に異議あり! 近すぎる野村アセットとの利害関係、日銀とETFの関わりに複雑な問題も (1/2ページ)

 政府は9日、今国会で審議する国会承認人事の案を発表した。この中に、日本銀行の審議委員に野村アセットマネジメント社長の中川順子氏を充てる人事案があって、筆者は大変驚いた。

 断っておくが、筆者は、中川氏の個人的な資質に問題があるとは思っていない。同氏が社長を務める野村アセットマネジメントは資産運用業界の大手で、金融政策と資本市場の関連の深さを考えると、資産運用ビジネスの経験者を日銀審議委員に充てることは良いことで、歓迎したい。

 中川氏が女性であることも良い。ただし、中川氏ほどのビジネス実績のある方を「女性枠」で語るのは失礼だ。

 それでは中川氏の何が問題なのか。それは、同氏が経営する野村アセットマネジメントが、日銀が大量に購入しているETF(上場型投資信託)運用の国内最大手であることの一点に尽きる。日銀との利害関係が近すぎるのだ。

 野村アセットはどんなに少なく見積もっても年間100億円以上の収益を日銀が保有するETFから得ている。ちなみに、日銀のETF保有から運用会社が得ている多額の手数料は、運用業界では「日銀補助金」と呼ばれており、その適切性も日銀のETF購入を巡る論点の一つだ。日銀の保有するETFの運用手数料は公的年金などの保有するパッシブ・ファンドよりも手数料が高い点にも問題があるが、引き下げ交渉を行うとすると、最大の相手は野村アセットだ。

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