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【榊淳司 マンション業界の秘密】利回り3%で1棟マンションが売れている!? 原価割れの恐れ…危うい資産運用法 (2/2ページ)

 もっとも、今の金利は限りなくゼロに近い。キャッシュを寝かせておいても利益は生まれない。国債を購入したところで、利回りはコンマ以下という状況。「3%でも回るなら」という発想になるのかもしれない。

 こういう「マンション1棟ごと」という買い方は、2008年のリーマン・ショックでついえた不動産ミニバブルの時に盛んに行われていた。あの時の買い手は内外のファンドだった。

 こういったバブルが終わると、物件が一気に原価割れの不良資産に変わる恐れがある。何とも危うい資産運用方法である。

 日本銀行の総裁である黒田東彦氏は23年4月に任期を迎える。あるいはそれ以前の退任があるかもしれない。

 今の異次元金融緩和による超低金利政策は、黒田氏の退任とともに終わる可能性が高い。その後、1棟買いされた分譲マンションの資産価値がどのようになるのか、大変興味深いところである。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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