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【経済快説】タンス預金は生活費1カ月分まで 災害時などの備え目的も…紛失・盗難リスク (1/2ページ)

 日本銀行が3月17日に発表した資金循環統計(速報)によると、昨年12月末時点で個人(家計部門)が保有する現金が約101兆円と、初めて100兆円の大台を超えたという(前年同期比5・2%の増加)。主に自宅で現金を保管する「タンス預金」が増えているということだ。

 個人が保有する投資信託は約78兆円なので、タンス預金はこれを大きく上回る。政府がキャッシュレス決済を普及させようとしていて、また「貯蓄から投資へ」のキャンペーンが行われる中でタンス預金が増えるのはいったいなぜなのか。

 最大の要因は、現在の低金利では銀行などに預けてもほとんど金利が付かないことだ。つまり、預金しないで現金のまま持つことが「もったいなくない」のである。経済学用語で言うと、現金保有の「機会費用」が小さいということだ。

 また、現金、特に高額紙幣の弊害の一つだが、預金や証券口座で金融資産を保有すると、税務署に所得や資産を把握されやすいので、これを避けたいとする動機が富裕層の一部に存在する。富裕層以外にも、取引とお金の流れを把握されたくない地下経済の人々にも現金への需要がある。

 加えて、「いざというときへの備え」の目的がある。災害などでカード決済やATM(現金自動預払機)が使えなくなった場合に、現金を用意しておくと助かる場合があり得る。最近では、みずほ銀行でATMにトラブルがあったが、こうした場合にも、現金を持っていると安心だ。

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