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【経済快説】タンス預金は生活費1カ月分まで 災害時などの備え目的も…紛失・盗難リスク (2/2ページ)

 タンス預金を持つ人々の気持ちは分かるとしても、多額の現金を自宅に保管することが適切であるとは考えにくい。タンス預金には、紛失・盗難・火災などのリスクがある。

 高齢になると、現金の置き場所を忘れてしまう場合があり得るし、何よりも自宅に多額の現金を持つのは物騒だ。電話などで多額の現金を自宅に持っている高齢者などを割り出して、強盗に押し入る犯罪が少なくない。

 火災に備えて耐火金庫を購入するお金持ちがいるが、強盗にも税務署にも多額の現金保有を教えているようなものなので、お勧めしにくい。

 筆者は、生活費の1カ月分くらいを上限として、ある程度の現金を、災害やキャッシュレス決済やATMが使いにくくなる場合に備えて持つことは悪くないと思うが、金融資産は、預金や証券口座の中に持つことが適切だと考える。決済手段や金融口座を複数持つとトラブルへの備えになる面はあるが、日頃は使用する決済手段や口座を1つにまとめる方が取引記録が同時に簡単な家計簿にもなって便利だ。

 「現金」にお金の実感と独特の魅力を感じる向きもあろうが、現代のお金の正体は、しょせん電子的データの所有権に過ぎない。(経済評論家・山崎元)

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