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【榊淳司 マンション業界の秘密】物件は供給過多、時代遅れの建築基準法を見直せ 発想の根源にある「住宅が増えた方がいい」 (2/2ページ)

 東京の郊外では、かつて「質より量」を重視していた時代に大量供給された鉄筋コンクリート造のマンションが朽ちかけている。賃貸型なら建て直せばいいが、分譲型の出口は見いだせない。

 所有者が売却するにしても数百万円の評価にしかならないのも珍しくない。そういうマンションは、現在の各法規では建て替えすら困難である。

 30年、40年先の未来で、そういう状態に陥る可能性があるマンションなら造らない方がいい。だが、現在の建築基準法では、そういう未来が待つ物件でも、建築確認が下りてしまう。

 デベロッパーというのは、基本的に売り逃げ型のビジネスモデルだ。全戸完売して区分所有者たちの所有になれば、その物件が未来にどうなろうと責任がない。だから儲かる案件があれば事業化してしまう。

 そろそろ、日本は住宅の供給政策を見直した方がいい。でないと、われわれの子孫は「マンション問題」で頭を痛めることになる。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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