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【榊淳司 マンション業界の秘密】東京と周辺エリアの共同幻想!? 全国的に地価下落も都心マンションは謎の価格上昇 (2/2ページ)

 それは、高い価格でも買う人がいるからだ。購入の需要があるから、供給側は価格を上げて売り出す。それで売れてしまえば、その価格で市場が形成される。

 買う人がいなくなれば市場価格は下がり始めるが、まだそうはなっていない。多くの人は値上がりしたマンションの価格を受け入れている。

 言ってみれば東京とその周辺エリアのマンション市場だけに生じている共同幻想のようなものである。

 例えば、大阪とその周辺では新築、中古とも東京の都心ほどは値上がりしていない。新築で高く売り出される物件はあるが、必ずと言っていいほど販売は不振に陥り、最後は値引きに追い込まれている。関西人は値段にシビアだ。

 共同幻想はいつか崩れる。それがいつなのかは分からない。しかし、不動産市場全体と、その一部であるマンション市場の動きが乖離している今のような状態が長く続くとは、とても思えない。

 ■榊淳司(さかき・あつし) 住宅ジャーナリスト。同志社大法学部および慶応大文学部卒。不動産の広告・販売戦略立案・評論の現場に30年以上携わる(www.sakakiatsushi.com)。著書に「マンションは日本人を幸せにするか」(集英社新書)など多数。

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