記事詳細

【令和を変える! 関西の発想力】これが本当の「おもてなし」 130年前に整備の巨大水路「びわ湖疏水船」観光に感動 (2/2ページ)

 のっけから驚きました。びわ湖疏水船で楽しむ風景は、一般的な観光船とは異なる「おもてなしの情景」だったのです。運航ルートは案の定、半分はトンネルでしたが、暗闇を逆に生かしたガイドの案内が心の琴線にビンビン響きます。私の便では琵琶湖遊覧船のガイド歴をもつ松岡昭光さんが「頭上に流れる川の音、聞こえますか?」などと巧みなトークで清流や山の自然を実感させてくれました。

 また、出口では「トンネルを抜けると“花国”だった」とばかりに視界が開け、沿道いっぱいの桜と菜の花が出迎えてくれます。地元の人たちも笑顔で手を振ってくれて、コロナ禍で固まっていた心が溶ける気がしました。

 秋の便では桜の代わりに紅葉が、菜の花の代わりにコスモスが、地元の人々の笑顔とともに観光客を出迎えるのだそうです。しかも菜の花とコスモスは、地元の人々がボランティアで植えているとか。これが本当の「おもてなし」かもしれません。

 そういえばコロナ前、「おもてなし」は日本人の合言葉でした。東京五輪が延期され、海外からの観光客受入も断念されて、いつしか聞こえなくなりましたが、真の「おもてなし」はさりげない心遣いの中に感じ取るものです。「びわ湖疏水船」コロナ禍に疲れたあなたにおススメします。

 ■殿村美樹(とのむら・みき) 株式会社TMオフィス代表取締役。同志社大学大学院ビジネス研究科「地域ブランド戦略」教員。関西大学社会学部「広報論」講師。「うどん県」や「ひこにゃん」など、地方PRを3000件以上成功させた“ブーム仕掛け人”。

関連ニュース