記事詳細

【榊淳司 マンション業界の秘密】今世紀末にもタワマンは“寿命”を迎える!? 高額な撤去費用は所有者の負担に (1/2ページ)

 ヨーロッパの街には、「17世紀に建造された」などという建物が至る所にある。たいてい石造かレンガ造りだ。日本でも明治期以降、そういった工法による建物ができたが、残っているものはほとんどない。ヨーロッパのように長く命脈を保てなかった理由は地震だろう。

 その代表例は、浅草の凌雲閣である。赤レンガを使った建物で、明治期の1890年に竣工。高さ52メートル、12階建てと伝わっている。1923年の関東大震災で半壊して取り壊された。地震の多いこの国では、レンガや石を積み重ねる高層建造物は危険というわけだ。

 現在の高層建築物は、そのほとんどが鉄筋コンクリート造。鉄筋の周りをコンクリートで固めて柱や床、壁の躯体構造とする工法である。これだと地震に対する耐性がしっかりと確保できる。

 しかし、鉄筋コンクリート造の建物には寿命がある。ヨーロッパの古都にある建造物のように何百年もの間、その姿を保つことはできない。

 理由は、躯体の骨格を成す鉄筋が酸化するから。つまり、さびてしまう。鉄は空気や水に触れることでその表面が酸化し、進むと、最後はボロボロになる。

 鉄筋コンクリート内の鉄がさびると、まずその容積が膨張する。そして周りを覆うコンクリート部分に亀裂を生じさせる。そこから雨水や空気が入り込んで酸化を加速度的に進行させる。

 鉄筋コンクリートの寿命はどれくらいなのか。実は60年から100年超など諸説ある。というのも、まだ世の中には100年以上を経過した鉄筋コンクリート造の建物がほとんど存在しない。

 だから、一応は100年と考えてみよう。そうなると、困ったことがある。大都市に集中するタワーマンションは、今世紀の終わりごろから順次寿命を迎え始める。これはかなり困ったことだ。

関連ニュース