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【新・兜町INSIDE】迷惑な円安進行…海外短期勢が売り

 5月は円安が進行し、28日の海外市場で一時1ドル=110円に乗せた。円安は株高材料とされるが、足元の相場で幅を利かせる海外ファンドには売り材料だ。

 5月末の日経平均は2月16日のバブル後最高値から5.3%安。一般に高値から1割安まではスピード調整の範囲内とされ、東京市場は上昇トレンド中の足踏み場面ということになる。ところが、日経平均を米ドルに換算した「ドル建て日経平均」は、5月終値が2月高値比8.5%安と10%安ライン近くまで下落している。

 円安は輸出企業の業績を押し上げる一方、円建て資産を目減りさせる。足元の相場では「円安を好感した海外年金などの買いよりも、目先の為替差損を嫌う短期投資ファンドの売りが先行して出ています」(外資系証券の幹部)。

 ただ、日本ではコロナワクチン接種の遅れなどから、短期勢の買い持ちはもともと少なく、円安による売り物には限度がある。「米国系投信など海外長期勢の一部は、短期勢の売り物が枯れるのを待たずに下値を買っています」。底値はまた海外勢が持っていくのか。

 【2021年6月2日発行紙面から】

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